河島英五よ、久しぶり  2008年5年7日公開

NHKBS歌伝説「河島英五」を、ま、見るともなしにチャンネルを合わせた。
20:00からのその番組はすでに始まっていた。
が、しかしどうだろう。 奴はガンガンに歌っていた!
叫んでいた! 輝いていた! 躍動していた! 迫って来た!!
それはこの頃、テレビではすっかり観ることの少なくなった、本物の男の、うねるような魂のステージだった。

その昔から ・・・・・

故・河島英五氏 (2001/4/16 48歳没)

 私もシンガーソングライターの端くれ、当然彼の事はよく知っていたし、
歌もずいぶんと聴いていたヨ。
だからあまり期待せず、チャンネルを合わせたのだ。
どうして今になってそう感じたのだろう
─── こいつは本物だ!! と、そう思った。
そう思ってみると、なぜか涙がこみ上げて来ちゃったのだ。
彼が48歳で亡くなって、今はもうこの世にいないからというのじゃない。
感傷じゃないんだ。

こんなスゴイヤツが、本当にこの頃この世の中から消えちまったなァ~~と。
淋しかったんだ、懐かしかったんだヨね。
自分の生き様をかけて歌を作り、歌う。 全身全霊で ───
誰が、周りが何をどう言おうと、俺は自分の信じた道を行くだけ。 あとは好きにしてくれ ───
とでも言う様な、激しい迫真のステージだった。

思うに ・・・・

表現者とは本来こうあるべきものではないのか ───
近年のテレビ番組を観てると、タレント、俳優やら元スポーツ選手やら何やらという人たちが集まっての、
言わば同窓会の中継番組の何と多いことか。
もちろんそんな番組ばかりではないし、”バラエティー” とはそんなものヨ と言われれば
それまでのことなのだが。
時代は常に変わってゆく、刻一刻と ・・・。  今、真の実力ある者しか生き残れないこの世の中、時代。
そう感じ、脅かされながら毎日を生きる我らにとって、 今こそ河島英五のような愚直な男の生き様が
懐かしく、光輝くような気がします。 惜しい男を亡くしたものだ ・・・。

漫才の天才と言われた ・・・・・

あの ”やす・きよ” しかし、横山やすしの破天荒すぎるその日常由に、まじめにやらないのならと、
離れて国会議員になった西川きよしさん。
あのやっさんが、まじめになんかなる訳はないし、仮にまじめになったとしたら、
何にもおもしろくないんだよね。 あの男はあれでいいんだよ。
そしてあの世界じゃなきゃ生きられない、あの世界だから唯一輝けた人なのだろうと思います。
惜しい人を亡くしたもんだ。
そう、その世界でしか、そこでしか輝けない、生きられない人間を、世間の常識などという物差しで
– ( 常識なんてクソくらえだ。 そんな物差しの長さはいつだって変わってゆくんだ ) –
計って、そこからはみ出しや、そいつはダメだ、となる。 

お~~い、日本よ~~ ・・・・・

農業が、土のにおいが、牛が、自然が大好きで、海が、舟が、漁師が大好きで、
他にも それだけが大好きで。
そんな、そこでしか生きられない、 そこでなら輝ける、 いとおしい人間たちをもっともっと
実は大切にすべきなんだと思う。
大変な仕事だぜ、あれは ・・・
世の常識、時流という物差しだけで全てを判断し消してゆくと、
いざという時に困る事になりやしませんかね ───
(実際困ってるような気がするんですが ・・・)
河島英五の久しぶりの雄姿に、私は興奮と、忘れかけていた大切なものを思い起こさせてもらいました。

追伸

しかし世の中は移り行くもの、やはり変化への順応も又、大切なことだしなア ・・・。
そういや、この自分の仕事も何もずいぶんと変化してきたよなァ ・・・。
───  変われども、変わらず ─── だね。 ありがとう英五よ。 合掌 ───